そよそよと

高台にある草原。
風が心地よく、柔らかな草の上にタオルケットを敷き、
サンダルを脱ぎ捨てて日傘を差し、少し昼寝。
遠くの方では小鳥のさえずりが聞こえる。

喉が渇いたら白ワインを飲んで、くるくる回る。
そして、愛想笑いでもくすくす笑いでも、手を叩いて笑うのでもなく
おなかを抱えて笑う。
でんぐり返りをしたり、スキップしたりしながら。

日焼けをするのは、嫌だけど、日焼け止めの独特の匂いにも閉口しながら、だけど、それに夏を感じながら。
馬鹿みたいな将来の夢を語ったり、自分の今読んでいる本について話したり、昔みた映画の俳優の名前が思い出せなくて、イライラしたり、向かい合わず、横に座って、同じものをみて指を指して、うなづいて。

帰りの電車は悲しいけど、またいつか来ようと約束して、うつらうつら
しながら景色を見送る。

天気のいい日に見る夢。最高の贅沢。